こんばんは。Usanです。今年の3月に国立教育政策研究所から出た、
「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料
国立教育政策研究所のホームページより転載
皆さんもうお読みになられたでしょうか。
新しい3観点による学習評価の具体的実践例が、各教科ごとに出されています。
特に小学校の先生方は今年度から新しい学習指導要領が始まっていますので、
既に確認済みの方も多いかと思います。
新しい評価についての大まかな解説については、昨年の6月に出た、
学習評価の在り方ハンドブック
国立教育政策研究所のホームページより転載
に載っています。不勉強な私は、今年になってようやく焦り始めまして…。
この休校期間を使って学習し、なんとなく形は見えてきたように思います。
そこで、今回は自分なりに学んだことをまとめてみようと思いました。
今回は特に、それぞれの観点において何を評価し、どうやって評価するのかということに絞って書きたいと思います。
知識・技能
何を評価するの?
学習過程を通した知識及び技能の習得状況について評価を行う。また、既有の知識及び技能と関連付け、他の学習や生活でも活用できる程度に理解・技能習得しているかについても評価する。
4観点時代の知識・理解と、技能が合わさった観点になっています。
今まで別々に扱ってきたことを一緒にされるのはちょっとやりにくいと感じるかもしれません。
イメージとしては、この次の「思考・判断・表現」が、
理解していることをどう使うか、できることをどう使うか
という資質・能力につなげていく観点であるために、この「知識・技能」は、
いわゆる、基礎的・基本的な事項という押さえになるかと思います。
そう考えると、「知識・技能」がCなのに、「思考・判断・表現」がAになるということはなさそうですね。
また、「他の学習や生活でも活用できる程度に理解・技能習得しているかについても評価する」
とあるように、「思考・判断・表現」に繋げられるような知識や技能になっているかどうかも評価のポイントとなりそうです。
どうやって評価するの?
ペーパーテストや、授業の中で実際に知識や技能を用いた場面を設けて評価
これは従来の評価方法でよさそうですが、
ペーパーテストでは単純な重要語句の穴埋め問題ばかりになってしまうと、
使えない知識になってしまいますし、
技能もあまり細かく切り取りすぎると、「ただそれができるだけ」
となってしまうので、工夫が必要ですね。
思考・判断・表現
何を評価するの?
知識及び技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を身に付けているかどうかを評価する。
先述したとおり、既に身に付けた「知識・技能」を活用した上で、
「思考力・判断力・表現力」を身に付けているかどうかということですね。
4観点の時はある程度独立していた各観点でしたが、今回はリンクが強まっているように捉えました。
「知識・技能」を活用できていなければ「思考力・判断力・表現力」が身に付いているとは評価できないということでしょうね。
私は数学なんですが、数学の場合はこの考え方はまあ理解できます。
しかし、教科によっては「そうかなあ?」と思う部分もあります。
例えば美術だったらどうでしょう。
ということもありそうですが…。自分としては少し腑に落ちない所がありました。
どうやって評価するの?
主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を通じ、子どもが思考・判断・表現する場面を効果的に設計した上で評価する。
ペーパーテスト、レポート作成、発表、話し合い、作品制作、表現、それらを集めたポートフォリオの活用。
出ました。「主体的・対話的で深い学び」
こちらについても自分なりにまとめたものを以前の記事で書いていますのでよければ読んで下さい。
こんばんは。Usanです。遅ればせながら、新学習指導要領について勉強しましたのでアウトプットしてみたいと思います。スポンサーリンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle || [])[…]
キーワードだけ書いておくと、
「主体的」 → 興味、関心、見通し、振り返り、将来との関連付け
「対話的」 → 協働、教師との対話、地域の人との対話、先哲の考え方
「深い」 → 深く理解、他との関連性、問題見つけ、問題づくり、より良い解決方法、既習内容との結び付け
こういうことを意識して授業して評価しなさいってことですね。(ざっくり)
ペーパーテストだけでは次の指導につながる評価にならないかもしれません。
テスト偏重にならないように工夫が必要ですね。
主体的に学習に取り組む態度
何を評価するの?
①粘り強い取組を行おうとする側面
②自らの学習を調整しようとする側面
①②の二つの側面を評価する。
これが一番難解でした。「深い学び」も難解でしたが。
②の、「学習の調整」というのがよくわからないですよね。
こういうことだそうです。
学習の調整とは、主体的に学習に取り組む態度の観点の趣旨に照らして、知識及び技能を習得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりするために、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤すること
アンダーラインの部分を読むと何となくイメージは湧くかと思います。
①と②の相関で評価するようです。
「学習評価の在り方ハンドブック」より転載
要するに、
「やる気があっても自分の学習の進め方を何とかしようとする姿勢が見えなかったらAとは言えないよ」
「学習の進め方がよくても粘り強さがなかったらAとは言えないよ」
ということでしょうか。
この①と②をしっかり見取ることができるような学習活動を展開しなさいというわけですね。
うーん難しい。
どうやって評価するの?
ノートやレポート等における記述、授業中の発言、行動観察、自己評価、相互評価等。
これ自体は、「関心・意欲・態度」の時と変わりませんね。
しかし、この観点の評価については、次のようなことが注意点として挙げられています。
※挙手の回数や積極的な発言など、性格や行動面の傾向を評価するということではない。
※単元の導入や、単一授業の冒頭で評価することは適切でない。
※他の観点に関わる生徒の学習状況と照らし合わせながら学習や指導の改善を図ることが重要。
※授業の最後に、自身の学びを振り返り、学習の過程や自分の考えの変化がよく分かるように工夫して書かせるなど、生徒が自らの活動の過程を要約して表現することによって、自分の試行や行動を客観的に把握し認識することを促す。(メタ認知)
「関心・意欲・態度」の頃は、導入の授業で評価することが多かったような気がしますが、今回は違うようですね。
単元を進めていく過程で、
学習を調整しようとする態度や、
振り返って改善しようとする態度
を評価していくようです。
そして各単位時間の評価の平均などではなく、単元の最後の段階での評価をその単元の評価とするようですね。
変容した結果を評価するといったところでしょうか。
まとめ
ここら辺のことを整理した上で、じゃあ自分の教科だったらどうするかな。
ということを考えることになると思います。
コロナ禍でそれどころではないという思いもあると思いますが、
大体学習指導要領は10年で改訂ですから、10年間は大きく変わらないわけです。
理論だけで終わることなく、しっかり自分の仕事に落とし込んでいきたいと思います。
それでは今日はここまでです。よければまた読んでください。