【感動】卒業式だけはいい3つの理由【涙】

こんばんは。Usanです。今日は卒業式について書きます。

教師の仕事ってなかなか大変なところがありますが、どんな仕事も大変ですのでそこをグチる気はありません。それなりに安定した職業ですし。

1年間あわただしく、様々なことがあり、それに対応していく。常に追われながら、授業や行事をこなしていく。

毎年毎年、行事が迫ってくると「あぁまたか…」となるのですが、

 

卒業式だけはいいんです。

 

この「いい」には、「良い」という意味と「許す」という意味が含まれています。卒業式だけはいい、その理由を3つ書きます。

 

  • 卒業式は私たちの学年末テストだから
  • 卒業式は一期一会の象徴だから
  • 卒業式にまた騙してもらえるから

それでは詳しく書きます。

 

卒業式は私たちの学年末テストだから

 

私たちの仕事は1年勝負です。その年で教えるべきことを教える。身に付けさせるべきことを身に付けさせる。そのことを意識して4月から子ども達を指導します。

卒業生にとっては3年間の学習の成果を見せる場でありますが、私たちにとっては1年間の指導の成果を見せる場です。

在校生を受け持っていたとしてもその年の卒業式が1年間の指導の成果を見せる場だと思っています。

だから学年末テストなんです。卒業式練習の時だけ指導してもできません。4月からこれまでの指導が生きてきます。

私は卒業生および在校生に次のようなことを意識させてきました。

 

  • 卒業式は人生における節目の1つ
  • 卒業式は一生の思い出となる大切な場所
  • 卒業式は3年間で成長した姿を、家族・先生方・来賓の方々・後輩たちに見せる場所
  • 厳粛な雰囲気の中で立派な態度・返事・歌でその姿を見せる。
  • 一生に一度の思い出を台無しにしないために厳粛な雰囲気をつくる。
  • 在校生にとって卒業式は他人のために頑張る唯一の行事
  • 他人のために頑張ることが、自分自身のためになる。
  • この学校を任せても心配ないと思ってもらえるように態度や歌で頑張る。
卒業式練習の初めのコマでこの魂入れをするわけですが、実際に式が素晴らしいものになるかどうかは、ここまでの様々な行事で培った協働・連帯の意識が身に付いているかどうか。
普段の学校生活の中で挨拶や時間や身だしなみなど、節度をもった生活ができていたかどうかにかかっています。
自分たちのやってきたことが見事に出る行事なので、すごくわかりやすいのです。
だから卒業式はいいんです。

卒業式は一期一会の象徴だから

 

一期一会(いちごいちえ)とは、茶道に由来する日本のことわざ・四字熟語。茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する[1]。茶会に限らず、広く「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という含意で用いられ、さらに「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」と戒める言葉。

一生に一度だけの機会そのものを指す語としても用いられる[2]。   Wikipediaより引用

 

教師という職業の数少ない良いところの1つがこの「出会いと別れ」ですよね。

教師という職業は、普通の職業に比べると出会いと別れがとても多い職業ではないでしょうか。

「一期一会」は私の座右の銘です。教師にピッタリの言葉だと思いませんか?

出会いと別れは一生に一度しかないものだから、この一瞬を大切にしましょう。

これってまさしく入学式と卒業式ですよね。素敵な言葉です。

一生に一度の大切な別れだから大切な式、一生の思い出に残る式にしたい。そしてこの別れを大切にできるからこそ、次の素敵な出会いを大切にできる。

だから卒業式はいいんです。

 

卒業式にまた騙してもらえるから

 

騙すという言葉はあまり良い言葉ではありませんが、言い得て妙というか、この言葉が合っているなと思っています。

先にも述べたように、私たちの仕事はなかなか大変な仕事です。どんな教師でも生徒と上手くいかなくなってしまう年があります。

何度も諭し、時には強く叱り、でも思いは伝わらなくて、今日は何があるんだろうという不安、苦しい日々、そして春を待つ教師に。

もういやだ。
もう担任やりたくない。
楽な学年にいきたい。
というかもう辞めてもいいかも…。

そんなネガティブな思いが自分だけでなく周囲をも覆っていきます。

卒業式練習も、服装がだらしない、態度がだらしない、へらへら笑っている、他学年の先生から批判される。

もう早く卒業式終わってほしい。
少し休ませてほしい。

だけど、卒業式はいいんです。

どんなに手のかかった生徒でも、卒業式は出たい生徒がほとんどです。

そしてあんなに手がかかったのに、ちゃんと成長した姿を見せてくれるんです。

もちろん私たちはそれが、「その日だけ」ということもわかっています。

でも騙されちゃうんです。

ああ、よかったな。
やっぱり中学生ってすごいな。
よし、また頑張ろう。

騙されてるってわかっているんだけど、私たちはうまく騙されて、新たな1年間に向かうことができるのです。

卒業式がもしなかったら、今よりもっと教師を辞める人が多くなるでしょうね。

だから卒業式はいいんです。

 

まとめ

 

この記事を書いているのは 2020.2.29 新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐために、春休みまでの小中高の休校要請が出された直後です。

自治体によっては卒業式がなくなってしまう、または簡素化した卒業式になりそうです。当然卒業式の練習はありません。

しょうがないことではありますし、個人的には英断だったと思います。それでも卒業式をきちんとできないのは残念だし、悲しいですね。

「卒業式が簡素化されるは良いことだ」「これを機に無駄なものは削減を」

なんて声が出ていることに驚いていますが、それほど教育現場は疲弊しているのかなとも思います。しかし、

卒業式はいいんです。

 

卒業式だけは時間をかけて労力をかけてでも、この仕事をやる限り大切にしたい行事です。

 

それでは今日はここまでです。よければまた読んでください。