【不登校】2つのパターンで考える 不登校生徒への対応【対応】

こんばんは。Usanです。今日は不登校生徒への対応について書きます。

まずは結論から。

 

不登校生徒への対応は、その子が学校に行けない理由が、学校にあるのか そうでないかによって大きく違う。
それでは詳しく書いていきます。
ある朝、保護者から電話がきます。
子どもが学校に行きたくないと言ってるんですが…
なるべく早く家庭訪問しましょう。よほどのことが無い限り、どなたかに学級をお願いしてでも行きましょう。
どうした?何か嫌なことがあったかい?
ここまでが基本の流れになります。ここからが2パターンに分かれます。

学校に行けない理由が学校にあるパターン

 

・〇〇くんに嫌なことを言われた
・授業中うるさくて嫌だ
・先生が嫌だ
・宿題をやってないから怒られるのが嫌だ
・勉強がわからないから嫌だ
・勉強がしたくないから嫌だ

 

色々ツッコミどころはあるかもしれませんが、これらは全て、学校に原因があると考えます。
保護者はなぜ子どもが学校に行かないのかを考えた時に、家庭に原因があるとは考えないものです。
しかし、上記のように原因が学校にあるとはっきりしている状況が長く続くと、保護者は何でもかんでも学校のせいと考えてしまいます。当然ですね。
ですので、もしもこのパターンだったら、とにかくその原因を全て取り除くことに執心します。

 

・〇〇くんに嫌なことを言われた →
事実確認をして指導、場合によっては謝罪をさせる。
後から「あれも…これも…」と出てこないように全て出させることがポイント

 

・授業中うるさくて嫌だ →
担任として謝罪し、今後の指導方針や方法を明確に伝える。
実際に授業をつぶしてでもなるべく早く学級指導をする。
同時に個別でうるさい生徒の指導、さらに注意してくれそうなリーダーへの個別のお願い。

 

・先生が嫌だ →
これが一番難しい。ただこれは保護者が先生を嫌いでそれが子どもにも影響していることが多い。
なので、保護者から先生への不満をよく聞いて、場合によっては謝罪、担任としての思いを伝えるなどを通して関係性を築いていく。
保護者が、「ほら先生も頑張ってくれてるでしょ」となれれば光は見える。

 

・宿題をやってないから怒られるのが嫌だ →
宿題をやっていない理由が勉強がわからないからであれば、「一緒にわかるまでやろう
やっていない理由がだらしない生活からきているのであれば、保護者へのお願いとともに、「放課後残って宿題をやっていこう」または8割程度は学校でやらせ、残りを家でやらせる。その割合を少しずつ増やしていく。
荒療治として、「やってこなくても怒らないよ」というやり方もあり。

 

・勉強がわからないから嫌だ →
この場合、「わからなくて友達にバカにされる」「当てられたときに答えられず恥ずかしい」など人間関係の問題が付随していることが多い。
純粋にわからなくて行きたくないというのであれば、別課題を出してあげたり、補習をしてあげたりという対応をする。

 

・勉強がしたくないから嫌だ →
いわゆる怠学。しかし怠学であることを保護者に知られたくないので色々他の理由をつけようとするため、嘘理由は除去していく。
怠学であるということを保護者とともに認識させた上で励ます。3者が認識した状況であれば強めの登校刺激を与える。

 

こうやって、学校にある嫌なことをとにかく取り除いていきます。
そして何もなくなったのに、それでも学校に来ないということは、あとは本人の問題であるということになるわけです。
それでも保護者によっては「あの時のトラウマが」とか、「こうなったのはそもそも学校のせい」と言ってくることがあります。
しかし、「それを言ってもしょうがない」ということを保護者もわかった上で、でも誰かのせいにせざるを得ずに言っているはずです。
そのクレームは長く続かない、もしくは時とともにトーンダウンすることでしょう。
すると次のパターンにつながります。

学校に行けない理由が学校以外にあるパターン

 

最初のパターンからこのパターンに移行する場合と、最初からこのパターンの場合があります。

このパターンになると、登校するかどうか本人次第という状況ですので、基本的に登校刺激は与えません。保護者の希望があった場合は別ですが。

 

・起立性調節障害、過敏性腸症候群などの身体的な問題

・小児鬱、双極性障害などのメンタル的な問題

・DV、ネグレクト、反抗期などの家庭内での問題

・本人の発達障害からくる問題

 

1つ目のパターンから移行することが多い、つまり学校の問題がきっかけとなって、この問題につながっていくことが多いです。

しかし既に述べた通り、あとは本人の問題ですから、本人が学校に行かなければと思った時にサポートできる体制をつくっていくことが担任の役割となります。

そして、「学校に行けない自分を責めないように」「学校に行くことがすべてではない」「卒業後のこうありたい自分を想像して、そのために今何をすべきかを考えよう」

という風に、学校に行けない自分を受け入れさせて次のステップに進ませるのも大事です。なんだかんだ学校に連れてくる必要は今は全くありません。

 

・起立性調節障害、過敏性腸症候群などの身体的な問題 

診断が出ているので、医者の方針に従う。「ただのずる休みだろ」と思う事例もあるが、「治ったらおいで」よりは「うまくつきあっていこう」と励まし、調子が悪くても1時間でも登校させながら時間を増やしていくことで改善する場合もある。

 

・小児鬱、双極性障害などのメンタル的な問題 

既にメンタルクリニックを受信してしまっている場合、メンタルクリニックでは、「学校に行く必要はない」というアドバイスをされることが多く、保護者及び本人もそれに従う傾向がある。

登校刺激も与えないようにという指示も出ていると考えるが、保護者の思いなども聞きながら、基本的には登校刺激は与えない。学校にいつでも来られる環境づくりをし、そのことを保護者及び本人にも伝える。学校に来たときには褒め、励ます。

医療機関を受診していない場合、学校には原因がないはずなので登校は本人次第。保護者及び本人の思いや希望を聞きながら本人の登校意欲向上を見守る。

 

・DV、ネグレクト、反抗期などの家庭内での問題 

反抗期については保護者の大変さや困り感をしっかり聞く姿勢が重要。そのうちお互い安定することが多い。

DVやネグレクトについては正直わかっていてもなかなか動きづらい事案。明らかな証拠がなければ児相への通告などができない。

そういう保護者に限って、学校に見せる顔は「子どものことをよく見ている良い保護者

このケースについては絶対に自分一人で抱えずに、チームで行う、管理職や指導部、養護教諭等との連携をすることが大事。

 

・本人の発達障害からくる問題 

既に発達障害の認定を受けている場合、個別対応を要求してくる保護者が多い

内容によるが、普通学級に在籍しているのであれば、過度な要求は断る

何でも引き受けると最終的には他の先生方に迷惑をかけることになる。

基本的には本人次第であまり登校刺激を与えないようにする。

認定を受けていないがグレーな場合も、学校の原因を除去した上で同様の対応をとる。

 

まとめ

不登校生徒への対応は大きく2パターンに分かれます。

それは学校に行けない理由が、

 

学校にある or 学校にない

 

の2パターンです。

学校にある場合は、その原因を除去することに全力を尽くします。

学校にない場合は、本人の登校意欲が高まることを期待し、待ちの姿勢をとります。

 

様々なケースがあり、今後も社会の変化とともに新たな事案が出てくるとは思いますが、この2パターンのうちどちらなのかを認識しておくと、次に何をすべきかが見えてくるのではないでしょうか。

 

保護者とのかかわりの中で、両パターンに共通して気を付けたいことがあるのですが、こちらの記事で書いていますのでよければご覧ください。

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それでは今日ここまでです。よければまた読んでください。