【生徒指導】子ども同士のトラブルはこう指導する【鉄則】

こんばんは。Usanです。今日は子ども同士のトラブルがあった時の指導の流れを紹介します。

初めに言っておきますが、生徒指導にはマニュアルはないと思っています。

様々な状況がありますので、必ずこうしなければならない!ということはないですし、何事もそのように決めつけてしまうのは良くないと思っています。

 

 

あくまでも、一般的な流れとしてこれまでの私の経験上、「このようなことに気を付けて指導していましたよ。」ということを、「鉄則」という言葉を使い、流れに沿って紹介していきたいと思います。

くどいですが、あくまでも「鉄則」という言葉は、私の中での「鉄則」です。

 

この流れで今までクレーム等があったり、再びもめたりということはほとんどありませんでしたので、皆さんの参考になればと思います。

前置きが長くなりました。それでは順を追って書きます。

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トラブル発生

 

ここでは、

1.AさんがBさんにしつこくちょっかいをかけた。

2.Bさんはやり返そうと思ってAさんを強めに叩いた。

3.Aさんは泣いてしまった。

4.Cさんが担任に言いきた。

 

というシチュエーションでいきます。
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事実確認

 

もうこれはイロハのイになります。

 

いきなり指導しない

 

Cさんの言うことだけを真に受けて、Bさんを頭ごなしに叱ってしまうと大変なことになります。
指導は事実確認の後です。
この事実確認をしっかりやっておけば、そうそう失敗することはありません。
なので丁寧にやります。

 

具体的には、必ず両者に聞くこと。
今回のケースでは担任1人でなんとかなりそうですが、もう少し大きなことになりそうな事案
(ケガをしているorものが壊れている。または複数の子どもが絡んでいる場合)では、応援を頼みます。
両者にそれぞれ個別で、別の場所で話を聞きます。
一緒に話を聞くのは避けます。

 

後になって、

 

あの時は言えなかったんだもん

 

となることがあります。
複数の子どもが絡んでいる場合は、応援を頼んで同時に話を聞くなど、口裏合わせがないようにする工夫も必要です。

 

そしてここで大事なのが、

 

なるべく早く聞く

 

話を聞くことは後回しにしません。
すり合わせも後回しにしません。
とにかくなるべく早く聞いて、なるべく早くすり合わせて、事実確認をします。

 

なぜなら、時間をかければかけるほど、子どもの話は合わなくなるからです。
基本的に、自分に都合の悪いことは言いたがりません。
その状態で時間が経つと、都合の悪いことは忘れてしまうことが多いです。
隠していたわけではなく、経験上、本当に忘れているのです。(隠す子もいます)

 

事案にもよりますが、休み時間に起きたことであれば、次の時間の授業を自習にしてでも早く聞きます。
その日に起きたことは例え子どもが下校してしまったとしても、聞き取りに家庭訪問に行きます。

 

そして可能な限りお互いの話をすり合わせて事実確認をします。
別々に聞いていた両者を付き合わせ、時系列に沿って最終確認をします。
細かい所は大抵合いません。大筋の部分で合えばOKです。

 

ただここでやっかいなのは、ウソをついてしまう子がいて大筋すらも合わない場合です。

 

ウソにはしつこく対応

 

すごい子は、他に見てた子が全員「そうだ」と言っても「違う」と言い張ります。
これはその子がどういう子か、これまでの行動、保護者との関係など様々なことを考慮した上でどのように対応するか決めます。

 

「担任が矛盾をついていく」
「お互いに合うように話合わせる(担任は同席)」
「『絶対に違う』と思うだけでなく『もしかしたらそうかも』と思うことを考えさせる」
「『先生も困った。どうしたらよいかな?』と投げかける」

 

など色々な引き出しで言葉は悪いですがウソを暴いていきます。
ウソが通ってしまうと、必ず次もウソをつきますから、最初が肝心です。

 

この先生にウソをつくと面倒なことになりそうだ。

 

となるくらい最初はしつこくやってます。

 
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指導

 

事実確認がしっかりできたらもう半分以上は終了です。

そして、いきなり指導しないと書きましたが、事実確認の際にも指導はしません。

指導しながら事実確認をやってしまいがちですが、余計に時間がかかったり、後の指導と被ったりしてしまいます。

 

だらだら同じことを指導されるのは子どもも嫌ですし、指導が落ちにくいです。

そうして事実確認が終わったらいよいよ指導に入ります。

これも事案によりますが、複数の先生に入ってもらった方が良い場合があります。事実確認が終わればそこまで焦る必要はないので、学年団の先生方や管理職に相談することがあります。

 

自らの言葉で反省させる

 

事実確認をしっかり行うことで、子ども達の中では、

自分のどこがまずかったか、どうすればよかったかがある程度わかっているはずです。

それらを両者に言ってもらいます。うまく言えなければサポートしてあげます。

 

また、気付けていない反省点については教えてあげます。

気を付けたいのは価値の押し付けにならないようにすることです。

一方的にこれはだめだあれもだめだと答えを言ってしまうのではなく、子ども達自らの言葉で反省させることが大事です。

 

今回のケースでは、手を出してしまったのはBさんですが、そもそもAさんがしつこくちょっかいを出してしまったのが原因です。

どちらにも「こうすればよかった」と言える点がありますので、そこにいかに気づかせるかが勝負だと思っています。

 

ここまでくればほぼ本人たちへの指導は終わりとなるのですが、最後に1番忘れてはいけないことがあります。

 

指導を必ず落とす
えっ?もう大丈夫なはずでは?

 

この後最も多いのが、「子どもに確認した内容と、子どもが下校し保護者に言う内容が変わり、保護者からクレームが来る
なんですよね。なので、ここは大事なところです。

 

家で保護者に叱られたくなくて、自分を守るように確認した内容とは違うことを言ってしまうんですよね。
しかし、クレームが来た場合でも、ここまでの丁寧な事実確認や、本人に考えさせて反省させる指導の経緯がありますので、理解して頂けることがほとんどです。

 

あとはクレームが来ないようにする工夫です。
自分が悪かったところを本当に反省できているかどうか。そこをしっかり見取ること、
そしてできていないようであれば、子どもにとって、これまでの指導のどこかで何かが納得いっていないはずです。
そこをしっかり落とすことがキモとなります。

 

ようやく指導が終わり子どもを下校させたらこの段階で報告です。

 
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学年主任、指導部長、教頭に報告

 

一緒にいてくれれば1回で済むのですが、なかなかそうもならないこともあります。
また、事案によっても事後報告で済む場合と迅速に報告した方が良い場合があります。
ただ、基本は3者にしっかり報告します。

 

チームとして情報共有する

 

あったこと、指導の経緯を伝え、この後の動き、明日の動きの自分なりの考えを述べてアドバイスをもらいます。
面倒だと思うかもしれませんが、いざ保護者から何か連絡があった時に、
学校側の対応をきちんと説明できる人が多い方が良いです。

 

また、これをしっかりやっておくことによって、
学校としてチームでこの問題に取り組んでいるという姿勢を保護者側にも伝えられます。

 

報告が終わったら、

 
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家庭連絡

ここでの選択は「家庭訪問」か「電話連絡」となりますが、

 

可能な限り家庭訪問に行く

 

場合によっては「複数での家庭訪問」も考えます。面倒だし嫌だなと思ってしまうのですが、家庭訪問に行きます。
そこらへんのことについては以前の記事にくわしく書いていますのでよければ読んでください。

 

あわせて読みたい

こんばんは。Uさんです。今日は教員であれば誰しも通る道である、保護者対応について書きます。  スポンサーリンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});[…]

 

確認した事実を伝え、その後の指導内容を伝えます。
大事になりそうな事案でなかったとしても、このように丁寧に対応することによって、信頼を得ることができます。

 

逆に家での様子を聞くと、保護者の困り感を共有することができ、協力して子どもを見ていこうという雰囲気をつくることができます。
こうしておくと、次に何かあった時にも(私が)大ケガをしなくて済む可能性が高いです。

 

またこの時、指導に理解が得られたならば、このことについて学級でも指導してもよいかの許可をもらっておきます。
すると、次の日学級指導ができますので、当事者たちだけでなく、学級全体の成長につなげることができます。

 
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その日または次の日の報告

 

家庭訪問に行ったならば学校に戻り、先ほどの3者に報告します。

特に持ち帰らなければならない事案があった場合は、報告後にその後の対応を協議します。

 

次の日でもよいこともありますが、私はその日のうちに終わらせてしまってスッキリしたい方なので、その日のうちに報告します。

全く問題なく終わったのであれば、電話での報告でもよいですね。

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学級指導

 

朝の会で学級指導をします。当事者以外の子はどうしても

 

私は知らない
私じゃないから関係ない

 

となりがちですが、

 

学級の問題として考えさせる

 

自分がAさんやBさんだったらどうしたかをしっかり考えてほしいですし、

同じ学級の中で仲間同士がトラブルになったことは、

実は自分たちにもどこかに原因があるからなのだということを考えてほしいのです。

 

一方的に教師が話して終わるような話だと、子どもは頭を使わずに聞いてそれで終わります。

なので、子どもにどう思うかを話させます。

質問することによって子どもは自分が当たったときのために頭を使い始めます。

 

小さなトラブルを利用して、学級としての成長を促すのです。

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事故報告

 

最後に、文書で事故報告書を作成し、全職員に伝えます。

これはやっている学校とそうでない学校があると思います。

これも正直面倒なのですが、きちんとやることで、先述の通り、チームとして情報共有できます。

 

これがあいまいになっている学校は経験上、荒れてますね。

みんながそれぞれ何やってるかわからなくて、何が起きたかよくわからなくて、気付いたら崩壊してた。

ポルナレフのあれです。

 

荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』より引用

 

あるあるじゃないですか?
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まとめ

 

トラブルはチャンスととらえ、鉄則を意識してうまく対応することで、保護者の信頼を得ることや、当事者だけでなく学級としての成長につなげることができる。

 

それでは今日はこれまでです。よければまた読んでください。